経営者がパーフェクトでなければならない理由
1981年の京セラ役員幹部研修で、稲盛塾長がおっしゃっていた事です。
立派な会社を維持するため、立派なリーダーが育たなければならない、立派とは社長の代りになることです。
人間は長所も短所もある。しかしリーダーはパーフェクションでなければならない。
例えば飛行機。
飛行機に亀裂があったとする。その亀裂は地上にいる時は、目立たない。しかし、いざ飛行すると、その亀裂から空中分解する。
人間もそう。欠点に目をつぶって、長所を伸ばすのは、ミドルクラスまでの話しである。
ビックになると、欠点があると、その欠点により空中分解して下落してしまう。
ミドルマネジメントと、トップマネジメントでは教育の方法が全く違う。
リーダーはあらゆる面でパーフェクションでなければならない。
そこで必要なものは哲学である。
哲学が無いと、欠点が極限まで広がってしまう。
フィロソフィには、相反する事が書いてある。その相反する事(小心者は大胆に・大雑把な人は細心に)を兼ね備えるのがパーフェクション。先天的にそんな事が出来る人はいないので、後天的にやっていく。
また、私心が無いのがリーダー。私心がある人の下に付くと、部下がかわいそう。
自分の利益と会社の利益が同時に来たら、無意識に会社の利益がとれる人、集団のために損な役割を引き受けられる人、そんな人でなければならない。
また熱意をもっていなければならない。
熱意とは「執念」「根性」「願望」「意志」。
仕事を成功させるのはお金に対する執念。しかし大きくなると欠点が出て、没落する。
例えばマラソン。
マラソンしてもやせない人が、大切な人が病気になり心配すると、痩せる。
それくらい思うという事は大変なエネルギーを使う。
魂をゆさぶるような言霊を伝えると、ガクッとなるほど疲れる。
腕力より思う方がはるかにエネルギーを使う。思念熱意が物を作っていく。
職場がどういう状態の時、目標が達成できるのか。
下から「今後どうなりますか?」と聞かれたら、間髪いれずに答えられる位、強い意志を持っていなければならない。
「どうしてもこうしたい」と思っている時、
「設備無い」「人も居ない」「資本も無い」全てが無くても、創意工夫が生まれる。
それに対して能力ある、無いは大した問題ではない。
京セラフィロソフィは厳しい事が書いてあるが、一生懸命仕事をしている奴は、ビンビン感じるはずである。
逆にそういう一生懸命体験が無いと、感じられない。
リーダーの皆さんが成長すると、自分のため・会社のため・部下のためになる。
私は、これを聞いて、
以前、オリンピックで金メダルを目指していた、シンクロナイズドスイミングのコーチが言っていた言葉を思い出しました。
「欠点を克服するのではなく、長所を伸ばすなんて世界に我々は居ないのです!
欠点があっては金メダルはとれませんから、欠点も克服します」
世界のトップを行く人はスゴイと思ったのですが、経営者もこうでなければならないと、稲盛塾長は言っているのです。