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盛和塾「福岡塾長例会」経営体験発表と経営問答

2012/05/08

先日、福岡で盛和塾塾長例会がありました。
内容は2社による経営体験発表でした。
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まず、売上123億、従業員965名の運送会社2代目の方の発表。
旧経営陣がワンマン経営だったので、従業員の自主性が無くなっている。
そうして楽にしていた従業員にフィロソフィを伝えても伝わらない、何をやってもうまくいかなかったが、
「こんな中小企業にいてくれる従業員に感謝して、幹部には素直に謝り感謝を伝えた」
するとよくなってきた。
というような発表でしたが、
塾長コメントは
フィロソフィは難しい言葉を使うな。
日常使っている言葉で、隣のおばさんがわかるくらい簡単な言葉で深遠な哲学を伝えなさい。
自分の心に血肉化するくらい理解しないと、簡単で身近な言葉にはならない。
リーダーは部下の心を打つような話が出来なければならない。
JALの社員には、京セラフィロソフィを渡した。それを参考に自分たちでフィロソフィを作った。自分のもととして実行している。
その通り行動し、1便ごとに採算がわかるようになったので、どの部門も必死でやっている。
航空機は風等で燃費が変わるが、風を見ながら高燃費のルートを考えたり、着陸時の逆噴射もコントロールして創意工夫で採算をあげている。
経営は簡単、シンプルに小売店と同じようにすればよい、それを細かく見るようにする。
2社目は売上2億6000万円、従業員18名の葬儀社でした。
花屋で働いていたが、何のノウハウも無く葬儀屋を始めた。しかし従業員に馬鹿にされたり、新ホールを建てる時に全員が退社したりと、波乱の経営でした。
この業界も大手イオンが参入したりと、逆風が吹いていますが、人間力を向上させ、新たな取り組みで成長を目指します。という内容でした。
それに対して塾長は、
本当に突飛な発想での経営だったのに、今があるのは神様に支えられていたからです。それに感謝して、今後は無謀なことはせず、フィロソフィをしっかりやって経営してください。
その後経営問答(経営者の経営に対する悩みに対して、塾長が答えを出すという問答)が行われました。
私は、塾長例会の中でもこの「経営問答」が一番参考になり、大好きなものなのです。
本当に自分が質問したのではないかと思うほど、自分にとって身近な質問が出て、本当に目からうろこが落ちることが多いからです。
1人目は、電気工事業の経営者で「自分はフィロソフィを社員に伝えているが、先代は儲かる話だけすればよい」と親と意見が合いません。どうしたらよいでしょうか?
という質問でした。
これも自分が父親との関係の中で、いつも抱えていた問題でした。
塾長は
あなたは父親から見ると青臭く見えているはずです。
しかし父親にはこう言いなさい。
「利益を出すにもこのフィロソフィが必要です」そうして必死に説得するのです。
お父さんを説得できれば、従業員を説得できるようになります」でした。
2人目は1店舗8名の美容室の経営者でした。
せっかく育てて、これからという時に、そういう人に限って独立する。その度に売り上げが下がるという繰り返しです。どうしたらよいでしょうか?
塾長
腕一本でできる商売だから独立したくなる。社長と仕事をすることの方が幸せだと思われるようにする。
独立してオーナーになった方が楽と思わせないように、自分が楽しないようにし、経営の厳しさも教えてあげる。
3人目は病院経営の医師でした。
経営していて、開院当時の闘魂が消えてしまっている。いつも反省ばかりで前向きになれない。どうしたらよいか。
塾長
反省は大切だが、今後自分がどうなりたいか、ビジョンが薄れているのではないか?はっきりとしたビジョンを持って経営してほしい。
という事でした。
経営とは関係ないのですが、「京都賞の立ち上げ時の気持ちはどのようなものだったのでしょうか」という質問がきました。
注)京都賞とはhttp://www.kyotoprize.org/ja/
塾長は
研究者は、利他の心で人知れず努力している。自分もそうだった。
それを褒めてくれるのはノーベル賞くらいのものである。その他は学会くらい。
賞が少なすぎる。そう思ってノーベル財団にかけあい、協力を得て、200億円の私財を投じて財団を作った(今は700億円規模)。
利他の心の研究者を称えるためというのが、始めた時の気持ちである。
余談ですが、授賞式はすべて招待している。よい食事も出しているが、これも自費でやっており、参加者からはいただいていません。本当の道楽です。この散財も利他の心でやっています。
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稲盛塾長、凄すぎです!
今後も尊敬し続けさせて下さい、よろしくお願い致します。

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