営業秘話「お客様の涙」
2010/12/01
先日、弟さんを亡くされた60代の女性の方から「生前、絵を描くのが好きだった弟が書き遺した絵を、本にしてほしい」というご依頼がありました。
その弟さんは、子供の頃からあまり笑わない子だったらしく、こんなお願いをされました。
「絵本の最後のページに笑顔の弟を載せたい、昔の写真を何枚かお渡ししますので、笑っていない写真をもとに、笑顔の弟の似顔絵を描いてもらえないでしょうか?」
難題でした。
どんな笑顔がよいか。
大笑いの顔?
笑っている顔?
微笑んでいる顔?
写真が元で、表情の違う似顔絵なんて描ける?
お客様にお尋ねしても「お任せします・・・」の一言。
悩んだ末に出た答えが「天国で微笑んで見守ってくれている様な笑顔」でした。
通常の仕事の流れは、お客様に対して、印刷前に必ず絵を確認していただき、了解を得てから印刷製本にかかるのですが、今回に関してだけは、本が完成してから「笑顔の弟さんを見てもらおう」という事になりました。
数日後、絵本が仕上がり、本を手にとったお客様は、目を細めながらページをめくって眺めるようにみておられました。
そして最後の「笑顔の弟さん」のページをめくり、その絵を見た時でした。
お客様の目から大粒の涙がこぼれ出しました。
当社は今後も、このような仕事を心がけます。
その作品はこちらです。最終ページに絵があります。ぜひご覧ください。
http://www.e-so-book.jp/book/pusan/