犯罪被害者支援について語る会
昨日、
「犯罪被害者支援について語る会」
~ともに考える、ともに分かち合う~
という対談が、内閣府、北海道、道警、教育委員会、札幌市、そして我が北海道家庭生活総合カウンセリングセンター主催で行われました。
犯罪被害者支援とは、何かの犯罪で肉親や家族を殺されて、心に傷を負ってしまった遺族にどんな支援をするのか、という事です。
この会は、定期的に開催されており、昨年は地下鉄サリン事件で奥様を亡くした上に、容疑者にされた方の講演会も開催されました。
(この時も、想像を絶する苦しみが伝わりました)
今回は、平成16年、佐世保小6同級生殺害事件で、被害者遺族になった御手洗恭二様を招いての対談でした。
冒頭では
「現場に行った時、娘の周りが血だまりになっていて、首の傷が大きく、見た時に足がすくんで動けなくなった」
という生々しい表現がありました。
また、加害者には複雑な思いがある。
結婚して子供が出来て幸せになるかもしれないと思うと、やるせない。
しかし自分の家族が苦しまないようにするのが第一で、加害者への思いをつっこんだものにしないようにしている。
しかし加害者の両親には「何でこんな子を育てたのだ」という思いはあるが、加害者家族の生活は一変して、相当苦しんでいるのが伝わってくるし、育て方一つで、自分も加害者の親になっていた可能性もあるので、一方的に思えない。
というような気持ちの中で生きているのです。
最後に、来場者から質問を受けていたのですが、彼はじっくりと考えて、詳細に思い出すようにして、丁寧に質問に答えていました。
私が、娘を殺された立場だったら、質問されたくもないし、ほっておいて欲しいと切に思うはずです。
そんな苦しい胸の内をひも解いて、丁寧に答えている御手洗さん、どうして苦しい胸の内を話せるようになったかというと、
「適切な支援を受けて、安心して生活できたので、事件の事を話せるようになった」とのことです。
同僚がびっしり家に居てくれたり、会社も協力してくれたり、弁護士が適切な処置をしてくれたり、色々な人が適切な支援をしてくれたから。
犯罪被害者の望みは、少しでも事件前の状態に戻ることだそうです。
そのために、何が出来るか、それを各人が各人の立場で行動する、それが犯罪被害者支援のあり方だと思います。
その心の在り方は「相手の望みに応じて、その心に寄り添う」というカウンセリングマインドが重要だと感じました。
関係者の皆様、本当にご苦労様でした。